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顎関節症とは?
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代表的な症状として、「顎を動かすと痛い」、「口を開けるとカクカク音がする」、「口が開けにくい」、といった症状が挙げられ、そのようなあごに関係した異常を示す病気をまとめて顎関節症と呼んでいます。また、あごの症状だけでなく、歯の痛みや頭痛、肩こりなどの症状が併せて起こる場合もあります。
これらの顎関節症症状を持っている人は意外と多く、自覚症状のない人でも検査してみると約70%の人に異常が見つかるので、割と身近にある病気と言えます。
特徴として、患者さんは男性に比べて女性の方が2〜4倍多く、中でも若い女性に多いこと、また、30歳を過ぎると次第に減少する傾向が挙げられます。
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発症の仕組み |
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いろいろなケースがありますが、比較的多いケースとして、「関節円板」と呼ばれる組織の障害によって起きる場合があります。図1で説明しますと、顎関節は両耳の前で、頭の骨と下顎の骨が関節を作っています。頭の骨と下顎の骨の間には「関節円板」という組織があり、力を和らげるクッションのような働きをしています。
ふつう、口を開けると、図2のように下顎は回転しながら前に出てきます。そして、閉じるときには逆の運動をしてもとの位置に戻ります。この時、何かしらの理由で関節円板が前にずれ落ちた状態になっていると、口を開けて下顎が前に出るときに、下顎が関節円板の下を通って関節円板はもとの位置に戻りますが、その時に音が鳴ります。そして、今度は閉じるときにふたたび関節円板が前にずれ落ちるのでその時にも音が鳴ります。これがカクカク音のする理由です。また、関節円板のずれがひどくなると、下顎の前への動きを邪魔する場合があります。こうなると下顎は十分動くことができないので口がよく開かなくなります。顎の痛みは、このような関節円板のずれに伴い顎関節内に炎症が生じることによって生じる場合もありますし、顎の筋肉が緊張しすぎて疲労することによって生じることもあります。
こうした症状は、基本的には、顎の関節や筋肉に「大きな力」が加わることによって起きると考えられています。 |
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原因
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| 先程述べました原因であるあごにかかる「大きな力」についてですが、ふつうの食事ではそれほど大きな力はかかっていません。そこで注目されるのが、寝ている時に行われる歯ぎしりや日中無意識のうちに歯をくいしばっている癖で、これらは意外と大きな力がかかっていることがわかっています。また、ストレスや精神的な不安などで身体が硬くなるときはあごの筋肉も緊張しており、これが日常的に続くと力が蓄積されて「大きな力」として、関節や筋肉に負担がかかることになります。また、ストレスによって無意識のうちにくいしばりをしたり、睡眠障害によって夜間の歯ぎしりが悪化することも報告されています。 |
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| 従来顎関節症の主たる原因と考えられていましたかみ合わせの異常は、最近の見解では、多くの原因のなかの1つであると考えられ、従来ほど強調されていない傾向にあります。しかし気をつけなければならないことは、ここで言っているかみ合わせの異常が歯並びの悪さといった形態的な異常を主に指していることです。実は、かみ合わせの異常は、歯並びに問題がなくとも、上下の歯をかみ合わせるときにわずかに生じるあごのずれといった機能的な異常が顎関節症症状の原因となっている場合もあり、かみ合わせの異常の意味する範囲が広いといった問題があります。しかも、現時点では、かみ合わせの異常がどの程度その人の症状出現に関係しているのか確かめる方法がないこと、また、そのかみ合わせの異常をすべての歯科医が必ずしも共通に見出せる訳ではないといった問題点があります。かみ合わせの治療は一度削ると元に戻すことはとても難しい侵襲的な治療にあたります。したがって、かみ合わせの異常の役割については、一概に白黒判断できず、個々のケースで専門医が詳細に診査して、慎重に治療することが望まれると言えます。 |
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治療
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症状を改善させるための治療と顎関節症を引き起こした背景を探り、原因を取り除くための治療があり、関節・筋肉の症状に対する理学療法による整形外科的対応、ストレスや心理的な問題に対する心身医学的対応、それにかみ合わせの問題、歯ぎしりに対する歯科的な対応、これらを患者さんの病態に応じて組み合わせた治療法を取ります。
個々の治療法には以下のようなものがあります。 |
| 認知行動療法 |
くいしばりや頬杖などの悪習癖を本人に認識させ、それらを取り除くよう行動させる |
| 物理療法 |
患部を温めたり冷やしたりして、症状の改善を図る |
| 運動療法 |
あごを動かしたり開口訓練をして、口の開きをよくする |
| 薬物療法 |
薬で炎症を鎮め、痛みをとる、筋肉の緊張を和らげる、など |
| スプリント療法 |
スプリントと呼ばれる装置を装着して、歯ぎしりによる害を防ぐ |
| 外科療法 |
関節の中をあら洗ったり、癒着を剥がすことにより痛みを取り除いたり、口の開きをよくする |
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| この中でも、スプリント療法は顎関節症の大きな因子となっている歯ぎしりやくいしばりによるあごの負担を軽くすることができ、症状の改善に非常に有効な方法です。 |
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予防対策
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| 第1に, |
あごの成長期にあたる幼児期から少年期に硬いものを食べるなどして、あごの筋肉・関節を鍛えておく。ただし、1度顎関節症症状を起こしたことのある人は、顎に必要以上の負担をかけないよう注意が必要です。 |
| 第2に, |
歯を食いしばったり、くちびるや爪をかむ、頬杖をつくといった無意識の癖はあごに負担をかけることになるので、気づいたらやめるように心がけます。 |
| 第3に, |
首や肩がこると、同時にあごの緊張も引き起こされることがあります。首や肩の負担になるような姿勢や、高すぎる枕などに注意してください。凝りを慢性化させないよう、ストレッチや体操などでこまめにこりをほぐすようにして下さい。 |
| 第4に, |
ストレスを溜め込まないような日常生活を心掛けて下さい。基本的には、規則正しい生活、食生活や睡眠などに気をつけるということが大事だと思います。 |
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顎関節症Q&A
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| Q.歯並びが悪いと顎関節症になりやすいって本当? |
| A. |
以前はそのようなことが言われていましたが、現在は疑問視されています。実際、歯並びが悪く矯正治療を受ける患者さんに顎関節症が多いという事実はないそうです。 |
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| Q.なぜ、若い女性に多いと言われる病気なのですか? |
| A. |
女性の方が靭帯が柔らかい、筋肉が弱いといった構造的な問題、女性ホルモンが影響している可能性や、女性の方がストレスに対して抵抗力が弱い傾向にあることが理由として挙げられていますが、確実なことはまだよくわかっていません。 |
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| Q.関節症を放置すると顎が変形したりしますか? |
| A. |
顎関節症の中で炎症によって骨、あごが変形する変形性顎関節症の割合は1割くらいと言われますが、変形の程度に個人差があり必ずしも変形性顎関節症の患者さん全員にあごの変形が明らかというわけではありません。しかしながら、中にはあごの変形が強く出ている患者さんも存在し、特にあごの成長中である若年者に生じた場合には影響が大きく出やすいので注意が必要です。変形性顎関節症であるかないかの目安は、耳の前にある顎関節部に痛みが長く続いているかどうか、かみ合わせの感覚が変化してきているかどうかを確認することです。もし、どちらかの症状がある場合には専門医を受診してみた方がよいでしょう。 |
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患者さんへのメッセージ |
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| 大部分の顎関節症は、治療が遅れると病状が次第に悪化していく怖い病気ではなく、負担の少ない治療法で十分効果を挙げることができるとわかっています。したがって、顎関節症かなと思ったら信頼できるかかりつけの歯科医に相談しましょう。必要があれば専門医への紹介をしていただけると思います。 |
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