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現在国民の約10人に1人がコンタクトレンズを使用しております。需要の拡大に伴いコンタクトにかかわるトラブルも数多く見受けられます。コンタクトトラブルを起こさないための正しいコンタクトの選び方、ケアについてお話させていただきます。 |
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コンタクトレンズの選び方 |
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| コンタクトレンズはハードレンズとソフトレンズに大別されますが、各々の長所・短所があり、使用目的・ライフスタイルに合わせ自分に合ったものを選ぶことが重要です。またレンズの種類によりトラブルの頻度は大きく異なります。安全性も加味した上で下記の表を参考にレンズを選ばれてはいかがでしょう。
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(レンズの特性)
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長 所 |
短 所 |
| ハードレンズ |
酸素透過性が高い、ケアが簡便、低コスト、装着した状態で点眼薬を使用できる |
落とし易い、異物感が出易い |
| ソフトレンズ |
装用感が良い、落ちにくいためスポーツに適している |
乾燥感が出易い、レンズをはずさないと点眼出来ない、酸素透過性に劣る |
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(レンズ別年間眼障害発症率)
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年間発症率(%) |
ハードレンズ
従来型ソフトレンズ
1日使い捨てソフトレンズ
1週間連続装用ソフトレンズ
2週間交換ソフトレンズ |
5.6
11.1
3.3
15.0
9.6 |
| 合計 |
7.4 |
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コンタクトトラブルの原因・予防 |
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コンタクトトラブルを引き起こす要因としては大きく分けて以下の3つのことが考えられます。
1.ユーザーのケア不足
コンタクトレンズは適当なケアでも安全だと考えているユーザーの方をたまにお見受けいたしますが、これは非常に危険です。以下にトラブルの原因となる事例をあげます。
@レンズの使用期間が過ぎても使っている。
コンタクトレンズの寿命はハードレンズで3年、従来型ソフトレンズで2年です。蓄積した汚れやレンズの変形がもとでトラブルを招きますので、異常が出る前に交換して下さい。特に2週間交換型ソフトレンズは使用期限を守らずに使われるユーザーが約4割もおり、レンズの品質が良いにもかかわらずトラブルを起こす方を多く見受けます。また使い捨てレンズは従来型と比べ耐久性が劣りますので期間を守って使用して下さい。
A手入れをせずにレンズを使用している。
角膜は他の臓器と比べデリケートかつ感 染症に対し弱い臓器です。角膜に出来た傷に細菌感染を起こすと細菌性角膜潰瘍(図1:細菌性角膜潰瘍)を引き起こす危険があります。汚れを落とすと共に消毒は非常に大切な作業ですからお手入れは必ず行なって下さい。
Bソフトレンズを薬液につけておくだけで擦り洗いをしていない。
最も多いトラブルの原因です。レンズを薬液につけて置くだけでは汚れは約1〜2割程度しか取れません。蓄積した汚れ(図2:ソフトレンズの汚れ)は異物感が強くなるだけではなく、角膜を傷つける原因となります。こすり洗いで機械的に汚れを落とすことは重要ですから必ず行なって下さい。
C蛋白質除去をせずにソフトレンズを使用している。
ソフトレンズに付着した蛋白質汚れは通常の洗浄ではなかなか落ちないため、定期的に酵素剤による洗浄が必要となります。これを怠るとレンズの汚れが瞬きの度に上眼瞼の結膜を刺激し巨大乳頭結膜炎(図3:巨大乳頭結
膜炎)を引き起こすことがあります。定期的にご使用下さい。
D充血・痛みがあるのにレンズを装着した。
レンズ装用中に充血・痛みが出現した時はほとんどの場合角膜・結膜が傷ついています。装着を続けることは傷を更に増やしますので速やかにレンズをはずし、翌朝も症状が残っている場合は眼科を受診するよう心掛けて下さい。
Eレンズをつけたまま寝てしまった。
F一度乾燥してしまったレンズを水で戻して使用した。
Gソフトレンズを水道水で洗った。
Hレンズがはずれたので、また汚れたので舐めて再び装着した。
E〜Hはどなたでも知っているやってはいけないとこですが、悪いと知りつつも案外多いトラブルの原因です。
2.ユーザーの体質
世の中には元々コンタクトレンズに向いていない方がおります。この様な方が無理にコンタクトレンズを使用すればトラブル発生頻度は当然高くなります。下記に該当する方はレンズ使用を差し控えるべきでしょう。
@ドライ・アイのある方
眼精疲労を感じやすい方は涙液量・質に問題があることが多いため注意が必要です。特にソフトレンズは涙を奪うため眼精疲労も出現し易く、装用においては涙液分泌量をチェックした上で購入を検討すべきでしょう。
A結膜炎、涙嚢炎を起こし易い方
B目の異物感に敏感な方
C全身状態に問題のある方(免疫力が低下など)
3.商品の品質
レンズ購入に際しよく"酸素透過性"と云う言葉を耳にすることがあるかと思います。私たちの身体は末梢まで血液を介して酸素を送っていますが、角膜には血管が無いため角膜内皮細胞(角膜の透明性を維持するための大切な細胞)は大気中から酸素を取り込み呼吸しています。レンズを装着することにより角膜は酸素不足に陥り、細胞死を招き易くなります。酸素不足についてはほとんどの場合自覚症状が全く無いため、知らない間に細胞が失われ(図4:正常及び細胞密度が減少した角膜内皮細胞)、最悪の場合角膜は透明性を維持出来なくなり、白濁し、視力を失うことも有り得ます。そこで重要なのが酸素を透過させる量を示す指標である酸素透過性の値です。この値はハードレンズが最も高いのですが、同じ系統のレンズであっても数
値にはかなり差があるため、購入に際しては充分比較検討されたほうが良いでしょう。自覚症状が無いため知らない間に少しずつ細胞密度は減っている方は意外と多いので、長年コンタクトを使用している方は測定機器のある施設を一度受診されてみてはいかがでしょうか。 |
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教えて!コンタクトトラブルの疑問&質問
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| Q.ソフトレンズでは使い捨てレンズと従来型ソフトレンズはどちらが良いですか? |
| A. |
一般には使い捨てレンズの方が眼障害発生頻度は低いのですが、実は1週間交換型レンズのトラブル発生率が最も高くなっています。安全性、酸素透過性については1日交換型のレンズが最も優れています。 |
| Q.カラーコンタクトには問題が有りませんか? |
| A. |
通常のものと比べ暗い感じがあります。また品質があまり良くないものもあります。 |
| Q.コンタクト装用中に目薬はさせますか? |
| A. |
ハードレンズは可能です。ソフトレンズは含水性であり、薬のレンズへの吸着が問題となるため一部の点眼薬を除き使用できません。 |
| Q.現在使用中のコンタクトが自分に合っているのか調べる方法は? |
| A. |
基本的には自分で判断することは無理かと思います。少しでも異常を感じた時は直ぐに眼科専門医のいる施設で相談なさって下さい。 |
| Q.レンズケースはどのように扱ったら良いのでしょうか? |
| A. |
ケースは日々充分に洗浄し、乾燥させ、約3ヶ月で交換して下さい。ケースの内壁にはバイオフィルムと呼ばれる細菌による膜が形成されます。これは洗浄、消毒しても完全に消し去ることの出来ない厄介な代物です。いったんバイオフィルムによる眼細菌感染症を発症した場合は難治性であると云われており、予防は大変重要です。ソフトレンズではケア用品を購入すると新しいケースがついていることが多く、その都度交換して下さい。ハードレンズではケースがついておらず、そのため交換率も低く、さらにレンズの消毒が義務付けられていないこともあり、バイオフィルムを形成し易いと考えられております。透明であるはずのケースに少しでもくもりがあれば危険なので直ぐに捨てて下さい。 |
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患者さんへのメッセージ |
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| コンタクトレンズは正しく使用いただければ大変便利なアイテムですので以上の点に留意し安全な使用を心掛けて下さい。最後にレンズはじかに目と接するものですから当然目に良い状態でフィットしていることが大前提となります。うまくフィットしていなければ異物感を感じ易く、角膜・結膜を傷つけます。また充分に酸素を取り込めるような状態でフィットしていなければ角膜内皮細胞が損なわれます。一部のコンタクト店では技量・経験の不足している内科医などの他科ドクターが診察を行っている施設もあり、問題となっております。またインターネットや薬局での購入は目の状態を把握出来ませんので非常に危険です。トラブルを回避する意味からも経験をつんだ眼科専門医のもとでの処方を心掛けて下さい。 |
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