| Q 大腸内視鏡検査とは実際どんなことをするの? |
「大腸内視鏡検査」は電子内視鏡という2色ボールペンくらいの太さの柔らかい管を肛門から入れて、直腸、結腸、盲腸という大腸全体を詳しく観察して、病気がないかどうかを調べる検査です。先端にはCCDカメラがついており、これで病気をくわしく観察します。
最新の内視鏡ではハイビジョン対応のCCDカメラや、顕微鏡に匹敵する100倍までの拡大観察機能をもっていて、従来のものに比べ、格段に精密な癌の診断が可能になっています。
また、そのCCDカメラの脇には内視鏡手術器具を出し入れする通路などがあります。このため、病気があればその場ですぐに治療してしまうことも可能です。しかも、手術に伴う痛みは全くありません。
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| Q 精密検査にはレントゲンの検査もあると聞いたが、
内視鏡とどちらが良いの? |
「注腸造影」というバリウムを使ったレントゲン検査が確かにあります。しかし、病気を見つける能力では内視鏡には及びません。さらに、内視鏡は病気を見つけた際に治療や組織検査がその場で一度にできる点でも有利です(レントゲンで病気が見つかった場合には、あらためて大腸内視鏡検査を行い、病気を詳しく調べ直さなくてはなりません)。
このうち特に、病気を見つける能力は精密検査の重要なポイントですので詳しくご説明します。はじめに、大腸癌は早期癌の状態で癌を見つけることが理想的であるとお話ししましたが、この早期癌の中で見逃してはならない重要なものに「陥凹型(かんおうがた)早期大腸癌」という病気があります。以前は、早期大腸癌といえばキノコのように大腸の壁からニョッキリと隆起したものがほとんどだと考えられていました。このような隆起した病気は「注腸造影」でも見つけることが可能です。実際、内視鏡検査がまだなくレントゲンが唯一の大腸検査だった時代には、早期大腸癌はすべてキノコのような形の病気と考えられていました。
しかし、大腸内視鏡検査の普及とともに隆起ではなく、浅い水たまりのようにくぼんだ形の、とても小さい早期大腸癌があることがわかってきました。この癌はくぼんでいることから「陥凹型(かんおうがた)早期大腸癌」と命名されました。そして、現在、この小さな癌は、進行するのが非常に速く、しかも、飛び火しやすい、とてもたちの悪い癌であることがわかってきました。そして、この「陥凹型早期大腸癌」を見つけることのできる唯一の検査が「大腸内視鏡検査」なのです。 |
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隆起型早期大腸癌
(キノコ型の早期大腸癌)
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陥凹型早期大腸癌
(くぼんだ型の早期大腸癌)
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こちらは「陥凹型早期大腸癌」の内視鏡写真です。病気を詳しく診るための青い色の薬を使うと水たまりのようにくぼんだ病気がはっきり見えてきますが、薬をかけない状態ではかなり熟練した内視鏡医でなければ内視鏡検査でも簡単に見逃してしまうことがあるくらい見つけにくい危険な病気なのです。そして、このような病気をレントゲンで見つけることはまず不可能とい
えます。
このような理由から、レントゲンの検査は、何らかの事情で「大腸内視鏡検査」ができない場合の次善の策と考えておいた方がいいと思います。 |
| Q 検査を受けるにはどうしたらいいの? |
まず、専門の医療機関を受診して検査の予約をします。この時に検査に必要な採血や、検査の説明を受けます。医療機関によっては電話の予約のみで検査が可能なところもありますので医療機関に問い合わせてみられたらいいと思います。
次に、検査の準備です。普通の状態では大腸の中には便がたくさんあり、そのままでは検査ができません。そのために食事制限と下剤の服用が必要になります。
食事は、検査前日の夕御飯までは食べていただいて結構です。しかし、その後、検査までは水分のみにしていただきます。
検査をする前に患者さんには下剤を飲んでいただきます。これは腸の中をきれいにして、先ほど説明した「陥凹型早期大腸癌」のような小さな病気でも見逃さないようにするためです。実際には、検査当日に強力な下剤を2リットルほど飲んでいただきます(この他に検査前日の夜にも別な下剤を飲んでいただく場合があります)。そして、便が出なくなり透明な液体しか出なくなった時点で検査が可能になります。
ただし、下剤の服用で注意しなくてはならないことがあります。それは、大腸癌で腸が狭くなっていると、下剤で一気に大量の便が狭くなった部分に押し寄せて、狭い部分が便で詰まるため危険なことがあります。下剤の飲み方や注意事項を受診された医療機関でよく聞いてから服用して下さい。
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| Q 検査は痛くないの? |
大腸内視鏡検査で痛みが出る原因は大腸に挿入した内視鏡により、過度に腸が引き伸ばされてしまうことにあります。特に、S状結腸という迷路のように入り組んだ場所を通り抜ける時にこのような状態になります。今まで、これを防ぐには熟練した医師の技術だけが頼りでしたが、最新の内視鏡では、様々な新兵器が搭載されていますので、これを使って検査をすれば、以前より、かなり楽に検査を受けることができるようになりました。この新兵器の1つに小児用内視鏡という通常より細く柔らかい内視鏡があります。通常のものと比べて、かなり細いことがおわかりいただけると思います。その名の通り、もともとは、お子さん用に開発された機種ですが、最新のものは大人にも使うことを前提に開発されたものです。そして、これを使うことにより、腸を引き伸ばす力をやわらげ、苦痛の少ない検査ができるようになってきました。もう一つの新兵器は、硬度可変式内視鏡という機種です。これは、このように内視鏡の手元部分を回すことで、患者さんの腸の状態に合わせ、自在に内視鏡の硬さを調整できるもので、上手に使えば患者さんの苦痛を格段に減らすことが可能です。
とはいえ、大腸内視鏡検査は、検査を担当した医師の技術レベルにより快適さにかなりの差が出てしまうのも事実です。より一層楽な検査を希望される場合には、いろいろと評判を聞いて、検査担当医を決めるのもいいかもしれません。
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| Q 内視鏡検査で手術までできるの? |
| はい、可能です。たとえ癌であっても、深いところまで根を張っていないものであれば内視鏡手術で完全に治すことが可能です。しかも、手術に伴う痛みは全くありませんし、その日のうちに家にも帰れます。もちろん食事もすぐにできます。実例です。直腸の大きさ約10cmの癌です。拡大内視鏡検査を行うことにより根の深い癌ではないことがわかります。特殊な薬液を癌の所に注入して病気の部分をもりあげます。まず、病気の周囲を電気メスで切り、次に病気全体を剥がすように切っていき、治療完了です。病気が大きいため傷も大きいのですが、3ヶ月後にはほとんど跡形もなくきれいに傷は治っています。もちろん再発もありません。このように、最新のテクニックを駆使すればかなり大きな癌でも十分に内視鏡手術で治してしまうことが可能です。 |
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| 大きな大腸癌 |
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| 青い薬品をかけて見やすくしたところ |
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拡大内視鏡で観察して「根の深くないがん」であることが判明。
つまり、内視鏡の手術だけで治るがんであることがわかりました。 |
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| 内視鏡手術中継1:がんの中に薬を入れて手術しやすい状態にしているところ。 |
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| 内視鏡手術中継2:がんの周りを特殊なメスで切っているところ。 |
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| 内視鏡手術中継3:がんの周り全てを切り終えたところ。 |
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内視鏡手術中継4:がんを全てを取り終えたところ。大きな傷ができている。 |
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内視鏡後3ヶ月:あれだけ大きかった傷はきれいに治り、がんの再発も全くない状態。 |
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| Q 保険診療で検査できるの?費用はどのくらいかかるの? |
| もちろん保険適応の検査であり、内視鏡手術も保険適応ですので日本全国どこの医療機関で検査を受けてもかかる費用に差はありません。費用は患者さんの条件や、検査および手術の内容によって異なりますので一概にはいえないのですが、例えば3割負担の方ですと、検査のみであれば大体5,600円くらいかかります。もし、病気があり内視鏡手術をするようなことになると大体20,300円くらいの費用が必要ですが、詳しくは検査を受ける医療機関で確認された方がいいと思います。 |