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月経前症候群とは? |
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月経開始の3〜10日前から身体的症状や精神的症状が現れ、月経開始とともに減退ないし消失することを特徴とする症状の総称です。わかりやすくいえば月経の前に体や気持の調子が悪くなり、次の月経の始まりとともに自然に軽快するいろいろな症状の集まりのことをいいます。1931年、Frankらによって月経前緊張症として提唱されたものですが、緊張感などの精神症状が主に見られるものをさすため、身体症状が前面に出るものをさす月経前症候群のほうがより一般的な表現となってきました。
月経前症候群は月経のある生殖可能年齢の女性の50-70%にも認められるといわれていますが、日常生活に支障をきたす重度な症状を呈するのはそのうちの約10%といわれています。
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具体的な症状について |
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月経前症候群の代表的な症状は表のとおりです。

現れてくる症状は、人によって実に様々で、月経前になると「胸が張ってくる」「下腹部に痛みを感じる」「異常にむくむ」といった身体的なもの、「イライラする」「気分が沈んでしまう」「からだの具合が悪くなる」というような精神症状など多彩な症状が周期的かつ、くり返し起こるといわれています。症状が多岐にわたるため明確な診断基準はありませんが、診断のポイントは、症状は排卵後に始まり、月経開始以降に症状が消失するか軽減するという周期性をもつこと、

それから、症状を説明できるような他の身体的疾患やうつ病などの精神的障害がないことが重要です。加えて、患者さんの私生活や仕事がその症状によって損なわれるということも大事なポイントです。
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様々な不快な症状の原因とは? |
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月経前症候群の原因にはいろいろな説があります。現在のところ、まだはっきりと解明されているとはいえませんが、その中でも有力な説をご説明いたします。
まず、この症状は排卵後に起こることから、排卵した後に卵巣から分泌される黄体ホルモンの不足や、卵胞ホルモンと黄体ホルモンのバランス異常などにより、体に水分が貯まりやすくなり、その水分貯留がいろいろな症状を起こす原因になるといわれています。またプロラクチンや男性ホルモンのアルドステロンが乳房痛や皮膚のトラブルに影響しているといわれています。
脳内には神経情報を伝達する作用をもつセロトニンという物質がありますが、月経の前にはこのセロトニンが低下することが知られています。

この月経前のセロトニンの低下がさまざまなネガティブな精神症状を引き起こす原因ではないかという説が最近有力となってきました。また
脳の中で分泌され、モルヒネのような作用があるβーエンドルフィンという物質が月経の前になると急激に低下するため、落ち込みやすくなったりうつ状態になりやすいと考えられています。栄養の面では、ビタミンB6やマグネシウム、カルシウムなどのミネラルの不足。そして、神経症やストレスを強く感じている女性ほど、症状が強く出るという報告もあり、社会的・精神的な環境も原因となると思われます。
このようにいろいろな原因が考えられていますが、これら原因がいろいろと影響しあって月経前症候群という身体的、精神的に多彩な症状が出るのではないでしょうか。
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月経前症候群とは分からず過ごしている女性も多いのでは? |
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症状の軽い方は我慢して様子をみられている場合も多いですね。しかし、生活に支障をきたすほど重症な場合は、積極的な治療が必要となります。
まず月経前症候群を治療する上で大切なポイントの一つは、患者さん自身が月経前症候群のことをよく知ることです。

いろいろな症状が月経の1〜2週間前から始まり、月経の開始とともに軽減、消失するという事実を見きわめ、これらの症状が月経前症候群であると認知するだけでも安心できます。基礎体温の測定と同時に毎日の気分や体調の変化を記録してみると、診断の指針になるだけでなく自己管理にも有効です。月経前症候群についての正確な情報が得られれば、それだけで精神的あるいは身体的な不安を軽減することに役立つと思います。
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実際に症状がある場合、どのような治療をするの? |
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症状が軽い場合は、薬を使わずに日常生活の中でできることを指導していきます。例えば、調子のすぐれないときは無理をしないよう心がけ、適度な気分転換やリラックスを心がける。
また、ビタミンやミネラルの豊富な野菜、果物を摂るよう心がけていただきます。また、ビタミンB6には、たんぱく質や脂肪の吸収・代謝を助け、中枢神経を正常に保つ働きがあるといわれています。ビタミンB6を多く含む食べ物には豚肉・大豆・小麦胚芽・玄米・いわし・かつおなどがあげられます。逆に砂糖、塩分、カフェイン、アルコールなどは症状を悪化させる可能性があり、摂りすぎに注意しましょう。

しかし、これらを実践しても症状が改善せず、生活に影響を及ぼす場合は薬物を使った治療が必要になります。
月経前症候群は排卵後のみに起こるとされているので、排卵抑制剤の投与も選択肢となります。月経前症候群の全ての人、あるいは全ての症状を改善するものではありませんが、身体症状のかなりの部分が軽減あるいは消失します。まず試みてもよい方法の一つです。
それから、黄体期に黄体ホルモンを補って、黄体機能の低下を改善あるいは黄体ホルモンの急激な低下を抑制します。次に、月経前症候群の原因の一つとされるセロトニン活性の低下を改善するために、選択的セロトニン再取り込み阻害薬を用いて憂うつ感、気分の落ち込みなどの抑うつ状態の改善をはかります。この薬は従来の抗うつ剤や安定剤よりも副作用が少なく、服用しやすいことも利点です。また主な症状として緊張や抑うつ、いらいらなどの精神神経症状がある場合には、黄体期に安定剤や抗不安薬の使用をすることがあります。しかし、この種の薬は眠気、めまい、倦怠感などの副作用に注意しなければなりません。それから、症状が定まらず不定愁訴が多いケースでは漢方薬による治療が有効になることがあります。そして、腹痛、頭重感・頭痛などの痛みに対しては鎮痛剤、むくみなどに対しては利尿剤が用いられます。
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最後に・・・ |
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月経前症候群は排卵のある女性に起こる病気です。しかし、言い換えればホルモンなども正常に分泌され若く健康的な証しだと言うこともできます。症状の程度に差はありますが、かなりの人、あるいは軽症の方も入れれば殆どの人は月経前症候群あるいはそれに近い症状があります。症状を自覚していながら、それが月経前症候群のせいだと気付かずに悩む女性も少なくありません。また家庭や周囲の人たちとの人間関係にも影響を及ぼすこともあります。月経前症候群を乗り切るには、病気に対する自覚と自己管理、周囲の理解が大切であると思います。また、ストレスと上手に付き合って、体と精神のバランスを取ることが大切です。症状が強い場合は、一人で悩まず一度医療機関にご相談することをおすすめします。
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