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2007年10月号
Vol.64 「腹膜透析」について

特任教授 丸山 弘樹先生


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新潟大学大学院医歯学総合研究科
〒951-8510 新潟市中央区旭町通1番町757番地
TEL 025-227-0436
FAX 025-227-0437

(腎医学医療センター寄附講座 ホームページ)
http://www.med.niigata-u.ac.jp/cns/
■プロフィール
略歴
昭和50年  新潟県立新発田高校卒業
昭和59年  旭川医科大学医学科卒業
平成19年  新潟大学大学院医歯学総合研究科
  腎医学医療センター寄附講座を開設
略歴など 日本腎臓学会専門医
日本透析医学会専門医



はじめに
 

 慢性腎不全は、腎臓の機能が徐々に低下していく病気です。進行すると、腎臓機能の代わりになる透析治療を行うことになります。新潟県内では、現在4500人の方が透析治療を行っております。そして、毎年100人ずつ増加しています。

 

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透析治療の現状とは?
 

現在、透析療法を行っている方の95%は血液透析です。そして残る5%の方は、腹膜透析を行っています。血液透析は、血液をいったんからだの外に出し、ダイアライザーという透析膜を使って血液をきれいにし、その後、血液を体内に戻すという方法です。


腎臓の機能を失った場合は、この様な血液透析をせざるを得ないのですが、心臓・血管への負担が大きいというのが現状です。
一方、腹膜透析は患者さん自身が、自分の腹膜を使って透析を行います。おなかの中に予め留置した管から透析液を流しこみ、4時間から8時間程度そのままにしておきます。すると浸透圧と拡散によって、透析液の中に体の余分な水分と老廃物が移動します。これを1日4回程度、繰り返します。始めは、稀におなかが少し重く感じられることがありますが、すぐに慣れますので、生活に支障はありません。

「おなかの管に自分で透析液を入れて」と聞くと、難しくてできないのでは・・・と思われる方もいらっしゃるでしょうが、そんなことはありません。腹膜透析を始める前に、患者さんが安心して行えるよう専門のスタッフが十分に指導しますし、導入後もしっかりとサポートしていきますので、どなたでも簡単に、安心して行うことができます。

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治療に拘束されない腹膜透析
 

また、血液透析では月に12回程度通院しなければいけませんが、腹膜透析は月に1,2回の通院で済みます。しかも、透析液がおなかに入っている約4〜8時間程度は、患者さんの思い思いの時間を過ごすことができますので、治療に拘束されることなく、自分の生活スケジュールの中で治療を行えるということなんです。働いている方はもちろん、普段どおりに仕事ができます。




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もっと知ってほしい 自分らしい生活が実現できる治療法

前述の通り、腹膜透析は、透析治療を行っている方のわずか5%。
これは、腹膜透析とその治療法の進歩が、一般市民のみならず、医療従事者の中でもあまり知られていないというのが原因だと思います。例えば、体に悪影響の少ない、イコデキストリン透析液の開発や、清潔にバッグ交換ができる機器の開発、そして、「SMAP」という、腹膜透析を導入する際の新しい方法があげられます。以前は、おなかに管を挿入する手術と導入指導等を含め、3〜4週間程度の入院が必要でした。しかし、このSMAPの場合、おなかに管を入れる手術と管の出口部分を作製する手術を分けて行うことで、入院期間を大幅に短くすることができます。ですから、より早く普段の生活に戻れるのです。




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最後に・・・   
 

自分の生活スタイルの中に治療を合わせていけるというのは、精神的な負担も軽くなるので、明るく前向きに生活できると思います。患者さんにとってこれだけメリットのある治療法ですので、県民の皆さんにも、より広く知っていただきたいです。 そして万が一、透析治療を始めなければいけない時には、ぜひ一度、専門の先生にご相談ください。

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