医療情報誌HIROBAで連載されている『森のお医者さん』が上下巻になって販売されることになりました。
心がぽっと温かくなるような作品集です。

著者の杉原先生は整形外科医です。
ご実家が林業だったという杉原先生は、木や植物を通して様々なことを考え、伝えてくれます。
ウルシ、モミの木、オリーブ、マンサク……作家の目で見ると森や木々はたくさんのことを教えてくれるのですね。
その他にも、今まで出会った普通の人々や、出来事、それらが宝石箱の中の小さな宝物のように散りばめられています。
普通の人々の中にはちょっと嫌な人とか変な人もいるのだけれど、それを見つめる先生の目が、そんな風景を鮮やかに優しく描き出しています。
エッセイあり、小説ありで、日本のお話なのだけれど、なぜか古いロシア文学のような雰囲気も醸し出されています。
とても心に残った言葉「自分の大切にしたいもの、それはすべて背景に物語がついている。」
確かにそうだと思います。
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